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フジテック、Cloudflare Oneによりグローバルな安全・安心を加速

1948年の創業以来、フジテックはエレベータ、エスカレータ、動く歩道の専業メーカーとして世界をリードしてきました。現在はアジア、米州、欧州、中東など世界23の国と地域で事業を展開し、11,000名を超える従業員が、日々数百万人もの人々に「安全・安心」を届けることを使命としています。デジタル時代においてもこの「安全・安心」への約束を果たすため、同社はITインフラにおいても、自社が提供するハイテク機器と同等の信頼性と安全性を備える必要があると考えました。

世界規模のITおよびセキュリティ・アーキテクチャを近代化するため、フジテックはCloudflareを採用。同社の「コネクティビティ・クラウド」を導入することで、場所やデバイスを問わず、あらゆるリソースへ安全かつシームレスにアクセスできる統合管理環境を構築しています。

レガシーインフラの脆弱性を乗り越えて

24時間365日、都市の移動を支えるメーカーにとって、ITインフラの停止は安全上のリスクに直結します。 「ランサムウェア攻撃などによりITインフラが停止すれば、保守サービスの手配遅延や、お客様への迅速な情報提供に支障をきたす恐れがあります。『安全・安心』なサービスを継続するため、セキュリティ環境を次世代へと引き上げることは急務でした」と、デジタルイノベーション本部 情報セキュリティ統括室 室長北野隆太氏は語ります。

従来の環境では、複数のベンダーによる分断された管理や、物理的なVPN機器への依存が課題となっていました。このVPNがボトルネックとなり、従業員から月に10〜20件ものトラブル報告が寄せられていたのです。ITチームはこうした火消し対応に追われ、戦略的なDX施策に時間を割くことが困難な状況にありました。

事後対応型の保守からプロアクティブなイノベーションへ舵を切るため、同社はVPNを廃止し、Cloudflareを採用し、アクセス手法の抜本的な転換を図りました。これにより、以下の3つの重要な成果を得ました。

  • 攻撃対象領域(アタックサーフェス)の縮小: VPNを排除して脆弱な侵入口をなくし、セキュリティを根本から強化。
  • グローバルなユーザー体験の向上: 世界各地で、従業員が一貫した高速接続を利用可能に。
  • 運用効率の劇的な向上: IdPとの自動連携により、入退社時の設定作業を大幅に効率化。
最小権限アクセスによるセキュリティの強化

フジテックは、老朽化したVPNインフラを刷新するため、SASEプラットフォーム「Cloudflare One」の中核であるCloudflare Accessを導入し、最新のゼロトラスト・ネットワークアクセス(ZTNA)モデルへと移行しました。

この移行は、同社のセキュリティ哲学における根本的な転換を意味します。 かつての「境界の内側は信頼する」という考え方から、場所を問わず「常に疑い、すべてを検証する」という厳格な姿勢へのシフトです。VPNのようにネットワーク全体への広範なアクセスを許可するのではなく、Google Workspaceとの連携による本人確認を含め、ユーザーやアプリケーションごとに詳細なアクセス制御を定義しました。

「以前は物理的なVPN機器そのものが大きな脆弱性であり、単一障害点となっていました。いわば『城と堀』のような構造で、一度境界を破られればネットワーク全体が危険にさらされるリスクを抱えていたのです。現在の鉄則は『最小権限アクセス』です。Cloudflareはすべてのリクエストに対し、厳格な本人認証とデバイスの状態チェックを常に行います。既知のデバイスだからといって、それだけで接続を安全だと見なすことはもうありません」と、北野氏は説明します。

「Cloudflareでセキュリティ管理を一本化したことで、私たちが理想としていた『境界のないネットワーク』がついに実現しました。場所やハードウェアといった物理的な制約に縛られることは、もうありません。日本の工場でも、海外の現場でも、エンジニアは常に同じ高度なセキュリティに守られ、スムーズに業務を遂行できるようになったのです」と、北野氏は続けます。

3,300名規模の環境移行をわずか45日で完遂

本プロジェクトで最も際立った成果は、その導入スピードにあります。フジテックは「既存ベンダーのライセンス更新による32%のコスト増」という期限が迫る中、極めて短期間での移行という大きな挑戦に臨み、記録的な速さで完遂しました。

この規模のグローバル展開は、他社製品であれば通常数ヶ月を要しますが、フジテックはわずか約40日間で国内対象従業員の99%の移行を完了し、約45日で100%完了させました。この迅速な展開により、日々の業務を止めることなく強固なセキュリティ基盤が確立されたのです。

「Cloudflareのプラットフォームは非常に直感的で、技術的なハードルはほとんどありませんでした。以前は数百におよぶVPNアカウントと物理ハードウェアの管理に、毎月数十時間も費やしていましたが、統合コンソールとIdP連携により、そうした運用の負荷から解放されました。トラブルシューティングも、もはや複雑な調査作業ではありません。迅速かつ透明性の高いものへと変わり、チームは定型的な保守業務ではなく、戦略的なDX施策に注力できるようになったのです」と、IT部門でインフラを担当する辻隆平氏は語ります。

革命的なグローバル・ユーザー体験

「以前は、海外から社内ポータルや顧客サイトを開くのに数分かかり、大容量のデータをダウンロードするには丸一日を要することもありました。今では、ウェブページは瞬時に開き、ダウンロードも数分で完了します。ホテルでも移動中でも、東京のオフィスにいるのと変わらないパフォーマンスを発揮できるようになったのです。頻繁に出張するメンバーからは、『意識することなく、安全かつ高速に接続できる』と非常に高い評価を得ています」と、北野氏はその成果を強調します。

さらに、フジテックは長年の懸念事項であったインターネット閲覧における課題も解消しました。以前利用していたウェブフィルタリング・ベンダーの製品では、日本の正当なウェブサイトが誤ってブロックされるケースが頻発していました。「Cloudflare Gateway」のDNSフィルタリング機能へ切り替えたことで、ドメインが正確に識別されるようになり、意図しないアクセス制限というストレスを排除することに成功したのです。

サイロ化の解消とITチームの生産性最大化

Cloudflare導入前、フジテックのネットワークセキュリティは、一部の専門家のスキルに依存していました。接続トラブルやセキュリティアラートが発生するたびに、3〜4つの個別のソリューションからログを抽出し、手作業で照合しなければなりませんでした。こうした管理の断片化は、問題解決を遅らせるだけでなく、組織内の「サイロ化」を助長する要因となっていました。

セキュリティとネットワークを単一のダッシュボードに統合したことで、フジテックのITチームのあり方は劇的に変化しました。

「ZTNAやDNSフィルタリング、ネットワークファイアウォールなどの機能を、Cloudflareに集約したことで、それまでの属人化していた専門知識が、チーム全員の『共通言語』へと変わりました。今では、ネットワークの基礎知識さえあれば、誰もが迅速に原因を特定できる環境が整っています。この可視性の向上が、私たちを絶え間ない保守業務のプレッシャーから解放してくれました。その結果、ビジネスを真に前進させる戦略的なIT施策へと、リソースをシフトできるようになったのです」と、辻氏は語ります。

都市の移動の未来を支える戦略的基盤

フジテックにとって今回の移行は、より広範な変革を推し進める起点となりました。同社はCloudflareを、運用リスクを低減しグローバルな成長を支えるための「戦略的な柱」と位置づけています。

「Cloudflareの最大の魅力は、その拡張性にあります。私たちのビジネスの成長に合わせて、プラットフォームも共に進化し続けてくれるのです」と、北野氏と辻氏は締めくくります。「次のフェーズでは、検証を終えたモバイル端末やスマートフォンへの全社展開を計画しています。また、Cloudflare WAFによるグローバルなWeb資産の保護に加え、AIを活用した防御策も検討しています。新しいテクノロジーを安全かつ迅速に取り込める体制を、さらに強固にしていきたいと考えています」

守りのセキュリティを鉄壁の基準まで磨き上げることで、フジテックはビジネスの機動力を最大化させています。Cloudflareのコネクティビティ・クラウドに支えられ、同社はこれからも進化を続けます。人々が日々利用するエレベータやエスカレータといった、誰もが安全・安心かつシームレスに利用できる「未来の都市機能」の実現に向けて、フジテックはこれからもさらなる進化と貢献を続けていきます。

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主な成果
  • わずか約45日間で3,300名超の従業員をレガシー型のVPNからCloudflareのZTNAソリューションへ移行完了
  • ベストエフォート回線によるボトルネックを解消し、社内システムへの高速かつ安定した接続を実現
  • 日本国内における、社外ネットワークから社内システムへのアクセスに関する問合せ件数が50%以上減少

ランサムウェア攻撃などによりITインフラが停止すれば、保守サービスの手配遅延や、お客様への迅速な情報提供に支障をきたす恐れがあります。『安全・安心』なサービスを継続するため、セキュリティ環境を次世代へと引き上げることは急務でした

北野 隆太氏
デジタルイノベーション本部 情報セキュリティ統括室 室長